代表選考会の先にあるもの

福井工業高等専門学校陸上競技部のある日…。
先日、高専大会に向けた代表選考会を行いました。高専大会、県総体では各種目各学校から3名しかエントリーできません。そのため希望者の多い種目は選抜をしなければなりません。当校で該当する種目は三つ。100m、走り幅跳び、そして4×100mR。
福井県鯖江市にある鯖江市東公園陸上競技場にてこの三種目の代表決定戦を行いました。
100mは候補者6名。走り幅跳びは5名。このうち上位3名が代表になります。リレーに関しては上位4名が代表。
実はこの代表選考会は今回初めての試みでした。私が選考に関わる前は、なるべく全員が出れるようにということで各種目の代表が決まっていました。このやり方ではほぼ全員が大会には参加できるのですが、生徒によっては記録は良いのに自分が本来出たいと思っている種目に参加できない事態が起きていました。今年から選考に関わるようになり、私なりにどういう選考が適当なのかいろいろと思いを巡らせました。顧問の先生や生徒の意見も聞きながら、自分の中でいろいろ葛藤がありながらも、今回の一発決勝の代表選考会を行うことにしました。
当日は、小雨がちらつく天候。この天候だからか、幸い競技場には他の利用者はおらず、ほぼ貸切状態で競技場を使うことができました。
記録の測定はマネージャーや有志の生徒が行なってくれました。
100mは6レーンを使って全員で1発勝負。どのレーンを走るかは、くじ引きで決定。これは生徒の希望で、運の要素も入れたいという思いから。
走り幅跳びは、2回の公式練習の後、1人3本の試技。踏切はファールなしの実測での計測としました。試技順はこちらもくじ引きで実施。
最初の選考は、100m(兼リレー)。これまでの練習の中で間違いなく一番緊張感のある瞬間でした。レースはあっという間。
号砲。一線でスタートを切り、30mあたりから差が出始め、残り30mで先頭一名が抜け出しゴール。2, 3番手がほぼ同着でそれに続きました。
この瞬間100mとリレーの代表が決定しました。
続く走り幅跳び。一本目から代表を決定付けるジャンプが飛び出し、単独トップに立つ。2位以下は接戦となり、ジャンプごとに順位が入れ替わる展開。最後のジャンプまで混戦となり、最終跳躍で20cm以上記録を伸ばした2年生が逆転で2位に入り、順位が決しました。
初の試みであった一発決勝の代表選考会は、懸念した怪我や、測定時のトラブル等はなく、滞りなく無事に終了しました。
この代表選考会を行なった率直な感想を述べると、行なって本当に良かったということです。
春の記録会に参加できず選考する材料がなかったこと、授業の関係でなかなか全員集まることができず練習時に力の差を見ることができなかったことなど、そもそもこの選考方法を取らざるを得ない背景もあったのですが、私がこの代表選考会を行うと最終的に決断したのは、「代表の重み」を感じて欲しかったからです。
代表権は与えられるものではなく、自分で勝ち取って欲しかった。そして、悔しい思いをしたものがいることを忘れないでほしかった。
勝ち取った者がいたということは、同時に勝ち取れなかったものがいるということ。
代表になるということは、責任を伴うということ。
これが、「代表の重み」だと思います。
今回、残念ながら代表を勝ち取れなかったもの。ここで、彼らは真価が問われると思っています。相手を妬んで、羨んで、自分はダメだと落ち込むだけなのか。代表になった者のために、誰よりも一生懸命応援しようと先陣をきる人間でありたいと思うのか。
彼らにはそれと向き合う機会があります。
悔しいはずです。でもそんな時こそ前を向ける人間であって欲しいと思います。
私自身も彼らから学ぶことがたくさんありました。本当に有意義な代表選考会でした。
そして、最後にこの代表選考会を支えてくれた有志生徒に感謝を申し上げます。君たちが真摯にサポートに徹したくれたから、彼らが真剣勝負できました。環境と雰囲気作りをありがとう!
さあ、次は試合です。
パーソナルトレーニングジム body smile
二瓶秀和
問屋本店 福井県福井市問屋町2-8 2F